2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧
古本屋に売っていた田辺聖子のエッセイを読むことにした。 田辺聖子のエッセイは前に『愛を謳う』を読んで、関西のゆったりした感じと、ゆったりしつつ、山椒みたいに後から効いてくる文をお書きの方だな……という印象があり、また登場する「カモカのおっちゃ…
石牟礼道子の『苦海浄土』を読み始めた。寂しさからだった。 Twitterを眺めても、自分の寂しさに対応していく言葉は見つからず、Googleで検索をしても、自分のこの気持ちに対応してくれる文はみつからない。 かといって中途半端なnoteで癒すこともできない。…
洗濯ものをして、コインランドリーに乾かしに行き、その足で散歩に行った。道すがら洋菓子屋があったのでクッキーを買った。帰宅した後パートナーがアイスティーをつくってくれた。 その後少しばたばたと準備をして、空港まで見送りに行った。 そうしてパー…
この本は、私に読まれるのを待っていた、という気がした。 ドイツ・チェコ・ポーランドにまたがる地域のヴント人(スラブ系)の伝説をもとに、ドイツの児童文学者が書き上げたというお話で、「すごいものを読んでしまった……」という気がする。 最後のシーン…
2010年上半期芥川賞受賞作品の『乙女の密告』を読んだ。 最近の芥川賞受賞作品だと、2022年上半期の高瀬準子の『おいしいごはんが食べられますように』、2020年下半期の宇佐見りんの『推し、燃ゆ』、2016年上半期の村田沙耶香『コンビニ人間』、2015年下半期…
ナカニシヤ出版の『生きる智慧はフィールドで学んだ 現代人類学入門』を読み終えた。第3部から読み始め、続いて第1部を読み、今日最後に読んだのが第2部である。 「存在論的転回」とか「情動」とか「マルチスピーシーズ人類学」とか「ダナ・ハラウェイ」とか…
最近、新書の中では講談社現代新書も好きになってきた。 奥野克巳さんの本は手に取るのにいつも躊躇ってしまっていたのだが、人類学の流れを押さえておきたいなぁ、とか、今の人類学はどういうところに落ち着こうとしているのか、などを知りたくて本書を読ん…
読んでいる文献リストを更新する。 ①読んでいる本 ・レヴィ=ストロース、『悲しき熱帯Ⅰ』、中央公論新社、2001年。 ・奥野克巳、『はじめての人類学』、講談社、2023年。 ・ティム・インゴルド、『応答し、つづけよ。』、亜紀書房、2023年。 ・ダナ・ハラウ…
告別式は14時から始まった。 曹洞宗式の告別式はなかなか派手な読経であり、時折シンバルのようなものを鳴らしたり、木魚を叩いたりしていた。 出棺の前に白い菊や百合の花を入れた。花は母の仕事関係者からもいただいていて、きちんと仕事をしているときち…
四国にいる祖母が死んだという知らせが入ったのが月曜日の朝のことだった。 夜中に亡くなっていたらしい。 私はパートナーとともにコーヒーとクロワッサンとヨーグルトというなかなか贅沢な朝食を終えていて、七月上旬並みと言われていた爽やかな北海道の空…
朝11時くらいになると、友人から電話が来る。 チェックアウトが11時なのだがどこに向かえばいいのだ、という、これは待ち合わせを言っていなかった私たちがわるい至極真っ当な電話であり、この人たちはポケットWi-fiを持ち合わせていなかったから、一歩ホテ…
友人がメキシコから北海道に来てくれた。 この友人は大学にいる間にグアテマラとかシンガポールにぽいぽい行き、メキシコに1年インターンに行った後、メキシコ人と恋に落ちて、大学卒業後かの地に渡り、子どもを二人産み育てながら働いている。 4月に日本に…
働く、ということが自分にとってよい経験になったかどうかわからない。ただ私には働かずそのまま大学院に行く、という選択肢と環境がなかったし、一度働いてみたら、働くということの楽しさもわかったりして、もっともっと未来を見据えられるところで転職し…
久しぶりに大学というところで、オリエンテーションを受けて自己紹介などをして、それぞれが自分の関心について語るのを眺めていたら、「私はどんな人間としていたいか」ということがもやもやと出てきて、本屋でひとまず渡辺京二のエッセイを買って読んだ。 …
ルーマニアから日本に来て青森で人類学の研究をされているイリナ・グリゴレさんの『優しい地獄』をやっと読んだ。 ルーマニアの森の風景や祖母との思い出、社会主義での国での暮らしと、現在暮らしている日本での日々のエッセイであるが、結構暗いエッセイだ…
退職して10日経った。 前の退職の時と同じく、よく眠り、ご飯を食べる、ということを中心にしていたと思う。そうじゃないと、退職したのはなんでだっけ? とか、もっとこういうことができていれば……といろんなもやもやに苛まれてしまうため。 今週はお寿司を…
私が文化人類学をやりたいなぁと思ったきっかけは、山口昌男の『天皇制の文化人類学』を読んだことで、しかもこの話はどちらかというと比較文学とかに近い話だと思うから、では「文化人類学って何」と思った時にさらっと読める基本的な本がほしかった。 とい…
渡辺京二の『近代の呪い』を読んだ。友人の何人かは大学の時の1年ゼミで読んでいて、同じ著者の『逝きし世の面影』より『近代の呪い』の方が難しかった、という話だった。 近代という時代について、平等とか自由とか言われているけど、その平等は本当に平等…
今年やりたいことがいくつかある。 まず最初にPhotoshopの操作を使いこなせるようになること、外国語(英語ともう一か国語)を学ぶこと、9月以降にはこのブログの書籍化(と言っても、同人誌を出す感覚である)することなどなど。 もう一つの春からの試みは…
日曜日にパートナーと映画を観に行った。 話題作の『オッペンハイマー』である。 ロスアラモスでの科学者の熱狂については、高校生の時に『ご冗談でしょう、ファインマンさん』(岩波書店)を読んでいたので、原爆開発は当時のアメリカとしては科学者が夢中…