はちみつのdiary

hannyhi8n1から引っ越しました。

読んだ:『近代の呪い』

渡辺京二の『近代の呪い』を読んだ。友人の何人かは大学の時の1年ゼミで読んでいて、同じ著者の『逝きし世の面影』より『近代の呪い』の方が難しかった、という話だった。

 

近代という時代について、平等とか自由とか言われているけど、その平等は本当に平等になっているの、という話についてはうんうんそうだよね、と思って頷いていたのだが(流し読みしていたのだが)、気になったのが第三話のフランス革命についての話だった。

 

フランス革命について、まず典型的なブルジョワはいなかった。まず、アンシャン・レジームの時代から確認して、貴族が王に対して自分たちの立場を崩さなかったのは明らかである。しかし、王権は中央集権化を進めなければいけなかった。これは均質で統一された国家を目指すものである。ここでこの王政からの改革ではなく貴族(高等法院)によってなされることになったことに注目すると貴族と平民(中間団体であるギルドなど)がなぜ、共感しあったのかがわかる……というお話。

 

えー、これ実際のフランス革命ではどうだったんだろう~と思って、本棚にあったエドマンド・バークの『フランス革命についての省察』(光文社文庫)を手に取って読んでみると、立憲君主制という考え方に辿り着く。

 

まだまだ知識が断片的なのだけれども、この現代がなぜこのような社会になっているのかを知るのにはまず、近代を知らなくてはいけない、と思った。私がもっと身近に感じているのは、享楽的で非効率的で立場を甘受している人たちと、何かがおかしいのだと思いながらも変化は望まれないこの社会と、この社会をつくっている諦念のようなものの根源には近代があるのだということはまあうすうす感じているのである。

 

ひとまず、『フランス革命についての省察』を読み進めてみようと思うのだった。