はちみつのdiary

hannyhi8n1から引っ越しました。

読んだ:『乙女の密告』

2010年上半期芥川賞受賞作品の『乙女の密告』を読んだ。 最近の芥川賞受賞作品だと、2022年上半期の高瀬準子の『おいしいごはんが食べられますように』、2020年下半期の宇佐見りんの『推し、燃ゆ』、2016年上半期の村田沙耶香『コンビニ人間』、2015年下半期…

読んだ:『生きる智慧はフィールドで学んだ 現代人類学入門』

ナカニシヤ出版の『生きる智慧はフィールドで学んだ 現代人類学入門』を読み終えた。第3部から読み始め、続いて第1部を読み、今日最後に読んだのが第2部である。 「存在論的転回」とか「情動」とか「マルチスピーシーズ人類学」とか「ダナ・ハラウェイ」とか…

読んだ:『はじめての人類学』

最近、新書の中では講談社現代新書も好きになってきた。 奥野克巳さんの本は手に取るのにいつも躊躇ってしまっていたのだが、人類学の流れを押さえておきたいなぁ、とか、今の人類学はどういうところに落ち着こうとしているのか、などを知りたくて本書を読ん…

読んでいる本/読みたい本/読み終わった本

読んでいる文献リストを更新する。 ①読んでいる本 ・レヴィ=ストロース、『悲しき熱帯Ⅰ』、中央公論新社、2001年。 ・奥野克巳、『はじめての人類学』、講談社、2023年。 ・ティム・インゴルド、『応答し、つづけよ。』、亜紀書房、2023年。 ・ダナ・ハラウ…

愛媛に行く 〈帰り〉

告別式は14時から始まった。 曹洞宗式の告別式はなかなか派手な読経であり、時折シンバルのようなものを鳴らしたり、木魚を叩いたりしていた。 出棺の前に白い菊や百合の花を入れた。花は母の仕事関係者からもいただいていて、きちんと仕事をしているときち…

愛媛に行く 〈行き〉

四国にいる祖母が死んだという知らせが入ったのが月曜日の朝のことだった。 夜中に亡くなっていたらしい。 私はパートナーとともにコーヒーとクロワッサンとヨーグルトというなかなか贅沢な朝食を終えていて、七月上旬並みと言われていた爽やかな北海道の空…

タコス その2

朝11時くらいになると、友人から電話が来る。 チェックアウトが11時なのだがどこに向かえばいいのだ、という、これは待ち合わせを言っていなかった私たちがわるい至極真っ当な電話であり、この人たちはポケットWi-fiを持ち合わせていなかったから、一歩ホテ…

タコス

友人がメキシコから北海道に来てくれた。 この友人は大学にいる間にグアテマラとかシンガポールにぽいぽい行き、メキシコに1年インターンに行った後、メキシコ人と恋に落ちて、大学卒業後かの地に渡り、子どもを二人産み育てながら働いている。 4月に日本に…

追記:一度働いてまた学問をしようと思うことについて

働く、ということが自分にとってよい経験になったかどうかわからない。ただ私には働かずそのまま大学院に行く、という選択肢と環境がなかったし、一度働いてみたら、働くということの楽しさもわかったりして、もっともっと未来を見据えられるところで転職し…

読んだ:『未踏の野を過ぎて』

久しぶりに大学というところで、オリエンテーションを受けて自己紹介などをして、それぞれが自分の関心について語るのを眺めていたら、「私はどんな人間としていたいか」ということがもやもやと出てきて、本屋でひとまず渡辺京二のエッセイを買って読んだ。 …

読んだ:『優しい地獄』

ルーマニアから日本に来て青森で人類学の研究をされているイリナ・グリゴレさんの『優しい地獄』をやっと読んだ。 ルーマニアの森の風景や祖母との思い出、社会主義での国での暮らしと、現在暮らしている日本での日々のエッセイであるが、結構暗いエッセイだ…

お仕事を辞めて10日ほど

退職して10日経った。 前の退職の時と同じく、よく眠り、ご飯を食べる、ということを中心にしていたと思う。そうじゃないと、退職したのはなんでだっけ? とか、もっとこういうことができていれば……といろんなもやもやに苛まれてしまうため。 今週はお寿司を…

再読:『文化人類学の思考法』

私が文化人類学をやりたいなぁと思ったきっかけは、山口昌男の『天皇制の文化人類学』を読んだことで、しかもこの話はどちらかというと比較文学とかに近い話だと思うから、では「文化人類学って何」と思った時にさらっと読める基本的な本がほしかった。 とい…

読んだ:『近代の呪い』

渡辺京二の『近代の呪い』を読んだ。友人の何人かは大学の時の1年ゼミで読んでいて、同じ著者の『逝きし世の面影』より『近代の呪い』の方が難しかった、という話だった。 近代という時代について、平等とか自由とか言われているけど、その平等は本当に平等…

プログラミングをはじめる

今年やりたいことがいくつかある。 まず最初にPhotoshopの操作を使いこなせるようになること、外国語(英語ともう一か国語)を学ぶこと、9月以降にはこのブログの書籍化(と言っても、同人誌を出す感覚である)することなどなど。 もう一つの春からの試みは…

観た:『オッペンハイマー』

日曜日にパートナーと映画を観に行った。 話題作の『オッペンハイマー』である。 ロスアラモスでの科学者の熱狂については、高校生の時に『ご冗談でしょう、ファインマンさん』(岩波書店)を読んでいたので、原爆開発は当時のアメリカとしては科学者が夢中…

パスタを茹でる

朝起きて、お湯を沸かし、紅茶を淹れた。 アラビア、トゥオキオのティーカップがかわいらしい。 それからパスタを茹でた。 トマト缶のトマトをフライパンに入れ、ほうれん草を切って、オリーブオイルで熱してコンソメを加える。 朝には少し雨が降っていたけ…

昨日はおやすみ

洗濯ものを干した後、コーヒーを淹れて本を読み終えた。その感想をブログにアップして、お皿洗いや買い物に出かけたあと、「エビとセロリのペペロンチーノをつくった。11時半くらいだったと思う。 インフルエンザで寝込んでいたパートナーにはえらく不評で、…

読んだ:『寝ながら学べる構造主義』

2022年くらい? に英文学の修士課程に行っていた人に、「思想史や哲学を文学に応用しているのをよく見かけますけど、何から読んだらいいのかわからないんですよねぇ」などと話していたら、いくつか参考文献を教えてもらった。 その中にあったのが、内田樹の…

今日はおやすみ

ホットコーヒーを淹れて、洗濯機に洗濯物を入れた。スイッチを押す。 柔軟剤はなんとなく無添加のものをつかっている。 シャワーを浴びた。 パートナーはインフルエンザで寝込んでいるため、私はリビングで寝起きをしている。 外を眺めるとだいぶ明るくなっ…

読んだ:『カウンセリングの実際 〈心理療法〉コレクションⅡ』

河合隼雄の『カウンセリングの実際』を読んだ。 高校生の時にカウンセリングを受けていて、「センター試験の点数だったら臨床心理学科にも出せそうなんですけど」と、当時のカウンセラーさんに言うと、「『人の心はわからない』、これを心がけておくといい」…

母と東京

二日目は支度をいそいそとして、美術館に向かった。美術が好きなのである。 一通り眺めて、お土産を購入し、コーヒーショップで母が到着するのを待った。今日は母が東京に来るということだった。 母が来るまでの間、コーヒーを飲みながらパートナーのお母様…

退官記念講演に行ってきた!

学部時代の恩師の退官記念講演に行ってきた。 「わたしの教師生活」というタイトルでざっくりと教師生活を振り返り、残りの時間で八重山芸能の踊りを踊ったり、笛を吹いたりしていた。 教員生活はもう終わりで、残りは沖縄で過ごすらしい。国際協力に関わり…

読んだ:『ジェンダー史 10講』

ジェンダー、セクシュアリティ、フェミニズムへの関心が最近はとても強くあり、やはり、社会に出たりパートナーができたりして、自分の位置づけみたいなものが学生の頃より、よりはっきりしたからだとは思う。 歴史上の人物で女性を主人公にした伝記がもっと…

東京に来た。

準備なども、実家に立ち寄った方がいいか、とか妹の結婚式はいつか、というような電話をした。 すると母が日曜日に東京に来ることが判明し、まあ同じタイミングならご飯でも一緒に食べようかという話になった。どきどきである。 夕方発の飛行機に乗ったのだ…

今日はおやすみ

土曜日にあんまり睡眠がとれず、日曜日も遅くまで起きていたので、今日は1時間ほど居眠りを午前中にしてしまった。 パートナー氏の持ってきた本を本棚に並べ、本棚が少々厳つくなってきたことに気づく。 今日は午前に岡野八代さんの『ケアの倫理』(岩波新書…

牛ひき肉のハンバーグでお祝い

「今日は何にしようかなー」と言うと、パートナーが「お肉がいい」と言っていたので、夕飯をハンバーグにすることにした。私は豚肉をできるだけ避けているので、牛100のハンバーグをつくるのである。 この間に鶏肉と豆腐のハンバーグをつくり、それも「美味…

寂しさ、のようなもの

パートナーからいつ帰る、という連絡が今日はまだない。 最近のパートナーはかなり疲れているようにみえ、辛そうにみえている。そんな彼の様子を見て、また、「一人にしてほしい」と言うのを聞いて、その場では「そっか」などと言うのだが、こうして一人でパ…

研究室へ行く

フィールドワーク報告会に行って報告を眺めたり、恩師と話したり、本を読んだりしていた。 12月にパートナーの大学の先輩だという人に会って、「修士課程に進学したいと思っていたらまずは研究室訪問に行くといい」というアドバイスを受けた。 学部時代の時…

観た:『哀れなるものたち』

シェリーの『フランケンシュタイン』みたいな話なのかなー、それよりももっとフェミニズムに寄せた話なのかなーと思って観に行ったら、どちらかというと「男性の支配欲」についての話だと思った。 妊婦の死体から胎児を取り出してその脳を移植してできたのが…