学部時代の恩師の退官記念講演に行ってきた。
「わたしの教師生活」というタイトルでざっくりと教師生活を振り返り、残りの時間で八重山芸能の踊りを踊ったり、笛を吹いたりしていた。
教員生活はもう終わりで、残りは沖縄で過ごすらしい。国際協力に関わりたいと思っていて、研究者としても関われるのかなと思った、というお話で、まあそこまで深く話をすることはなかったのだが、スライドには子どもの頃の写真などがあり、学生生活についても触れていた。
先生の書いた本は何かと読んではおり、そのたびに「すごい人生だな」と思ったりする。私はこれからどこに向かうのか、何者になるのか、全然わからず、今もこうして途方にくれていたりするのだが、なんかそういう時期なんだと思うことにした。
大学で話していると、「はちみつさん」と声をかけてくれる人がおり、そういえば私は単位を落としまくっていたので、一緒の授業に出ていた後輩がいるのだった。
同期とも話していて、最近の調子どう、と話していた。外国語を使って仕事をしたり、国際協力の道に進んでいる人がいたりとそれぞれの道に進んでいるようで、頼もしかった。
先生のような生き方に憧れるけれども、真似することもできない。ただ、大人になると自分の生き方は誰かが導いてくれるというより、自分で切り開かなくてはいけないものなんだなと思った。コミュニケーション能力なり、丁寧さなり、探求心なり、その人の持てるリソースをフルに使って好きな自分になるものなんだなと。
病気で亡くなってしまった大学の友達もいる。遠くの国で子育てと仕事を両立させて働いている友達もいる。
私にはこれといったことはないのだが、本を読むのは好きだし、美しいものに触れるのが好きである。ものを書くのも好きだし、料理をすることも好きである。明るい気持ちでいたい。でも暗さを見つめる透明な冷静さも持ち合わせていたい。もっと人と仲良くなりたい。物事を見つめていきたい。生きていたい。広い世界を見たい。
先生に圧倒されてしまうのだが、私は私の人生を生きないと、と思うのだった。