はちみつのdiary

hannyhi8n1から引っ越しました。

旅行③大原三千院

京都で学生生活をしていたパートナーは、京都市内を走るバスの中で、「ここはよく行っていたお店で」とか、「ここは布を買いに来ていたお店で」など話した。パートナーの小学生の頃の話なども聞くうちに、次第にバスは山の方へと上って行った。

 

京都のどこを巡るか話をしていたのだが、当初に私が提案していた通り、大原三千院に行くことにした。ほとんど滋賀県みたいな場所にあるのだが、その大原というのは今でも漬物に欠かせない紫蘇の名産地で、また一昔前は炭焼きをする女性・大原女が暮らしているところでもあったそうである。町のところどころに大原女の小径、というような名前があったり、駐車場にそのキャラクターのステッカーがあったりするのを見た。

 

行きのバスの中で「青空で読める手頃な短編はないか」と訊かれたので、芥川龍之介の『父』のリンクを送る。

三千院までの途中にあるお店で食事をとった。

窓から景色が眺められるつくりになっていて、緑が生い茂っているのを見た。時折、蝶が飛んできた。鳥も遊んでいた。蝉の声は静かに聞こえる。

 

結構ボリュームのある定食だったが、瓜、オクラ、里芋など季節の野菜が使われていて美味しかった。

 

まだ緑の椛のトンネルを抜けていくと、三千院はあった。何枚か写真を撮り、入館料を払って社殿に上がる。天台宗最澄に縁のある寺院である。院内は撮影をすることができない。旅行雑誌などをみても、院内の写真はなく、庭の写真ばかりであったのはそういうわけなのかと思い至った。室内にある王義之の拓本を見て驚いたり、庭の方を見て写真を撮ったりした。聞こえてくる言葉は中国語ばかりだった。

 

盆地の方と違って、風が涼しく、そよそよと葉がそよいだ。庭の真ん中には「往生極楽院」というお堂があり、その中に国宝の『阿弥陀三尊像』がある。お堂に入って手を合わせたが、仏というものに手を合わせてみんな死んでいくことを考えるのだ、ということの感覚がなんとなくわかった気がする。

 

その後、庭や他の金色不動や観音堂を一通り周った。時折、川の音が聞こえたり、静かに風が吹いているのを聞いた。歩いている途中に鳥の雛が落ちているのをみたが、無事飛び立つことができていてよかった。

 

その後、歩いて行けるという出世稲荷神社というところにパートナーが行きたいというので、そこにも行った。

 

歩いていると日差しが強く照らしており、ペットボトルの麦茶やスポーツドリンクをかわるがわる飲んだけれど、パートナーは軽い日射病になってしまったようだった。

ようやく来た国際会館行のバスに乗り、二人で息を整えた。

 

国際会館駅に着くと、パートナーは一つ学生生活の思い出を話してくれた。

 

京都駅まで戻り、ちょっと涼みに百貨店まで行く。美味しいが高いカフェがいくつかあり、そこで私は抹茶のバスクチーズケーキを食べた。パートナーは突っ伏していた。

 

ようやく元気が戻って、ホテルに帰ってくると、ここは天国かというほどお布団が気持ちよかった。二人ともベッドに入るや否や、しばし寝込む。

 

起きてご飯を食べられるところを探して行った。

私は肉じゃが、だし巻き卵、日本酒という組み合わせで晩酌し、パートナーはハンバーグからあげ定食なるものを食べていた。

暇つぶしに何か読もうということで、二人で青空文庫の『藪の中』を読んだ。

 

藪の中の感想について、後で書こうと思う。