神社で方位災難除けをした。
実はよくわかっていない。引っ越しする時にするのだ、とか、九星気学上、八方ふさがりになっている時にやるのだ、と各神社やお寺が銘打っているがどちらが正しいのかよくわからない。
けれども引っ越しも八方ふさがりも私たちはあてはまっていたので、同棲開始の儀式として行くことにした。
この日は雪が降っており、積もった雪の中をどうにか歩きながら神社に行った。
社務所に声をかけると先にお札などをいただいた。
「これから祈祷になりますので、あちらへお掛けください」などと言われる。ソファに座って待っていた。
神主さんが来て、「それでは始めますので後ろへ続いてください」と言われる。私が先、パートナーが後になって社殿へ向かった。
社殿というものの中に入るのは、二十歳の頃、一人旅をして貴船神社でご祈祷してもらって以来のことである。*1
どん、どん、と太鼓が鳴り、
「これより始めます」
と神主さんが告げた。
私は「御祈願中に携帯が鳴ったらどうしよう」というたわいもないことであたふたし、そして「東京から北海道に来る前にあげたものとはずいぶん違うな」などと思った。仏式と神式で違うのかもしれない。
玉串をさわるのがはじめてだったので戸惑った。パートナーは同級生のお葬式でやり方を知っていたらしい。私があたふたするのを「大変そうだな」と思って眺めていたようである。
一通り終えた後、神主さんが「珍しいですね。お越しくださってありがとうございます」と仰った。「ええ、まあ」とかなんとか言ったような気がする。「昔はこういうことをされる方は多かったものですけどね」などと付け加えた。
帰り道、パートナーに感想を訪ねると、
「人事を尽くして天命を待つ、という言葉があるけれど、僕は逆だと思うな。神様に祈ったら、あとは自分たちの努力次第ということではないかな」
などと言った。
私は素直に「神様に見守られているのだから大丈夫だ、という安心感を持って物事に取り組もう、ということではないか」などと思った。
その後、一度帰宅し、街の方へ行って冬用の靴などを探したのだけれど、建物の中は結構あったかくて、暑く感じられるほどだった。カフェでお茶を飲み、気を取り直して買い物を続けた。
神棚、シャワーヘッド、ボードゲーム、風呂掃除用の洗剤などを買った。冬用の靴も無事買うことが出来た。冬服とヒートテックも購入した。
パートナーはギターのレッスンに行くことにしていたので私たちは一度駅で別れ、私は自宅に戻った後、食料品の買い出しに出かけた。
昨日の反省もあり、夕飯は水炊きにしよう、ということだったので、私は鶏肉や水菜を買い物かごに入れた。
帰宅してふうと息をついた後、具材を切った。
副菜として茄子の揚げびたしをつくっている頃にパートナーは帰宅し、
「それ、鍋にいれるの?」などと訊いた。
鍋をしながら私たちはビールを1缶空け、日本酒を飲んだ。
ここのところ休日だったのでよく食べてよく飲んでいた。
中断していたゲームを再開し、クリアまでした。
カーペットに寝転がり、感想を話した。