はちみつのdiary

hannyhi8n1から引っ越しました。

読んだ:『寝ながら学べる構造主義』

2022年くらい? に英文学の修士課程に行っていた人に、「思想史や哲学を文学に応用しているのをよく見かけますけど、何から読んだらいいのかわからないんですよねぇ」などと話していたら、いくつか参考文献を教えてもらった。

その中にあったのが、内田樹の『寝ながら学べる構造主義』と千葉雅也の『現代思想入門』だった。

 

今回、内田樹の『寝ながら学べる構造主義』を読もうと思ったのは、ガヤトリ・C・スピヴァクの『サバルタンは語ることができない』を読んでいたからで、そしてスピヴァクを読まねばならないと思ったのは、アルジェリアの女流作家についての卒業論文をXのフォロワーにいただいたからだった。

スピヴァクが言っていることをわかろうと思うと、フーコーとかバルトとかのことがわからなくてはだめだ、ということがわかったので、観念して内田樹にすがったのである。

 

最後のレヴィ=ストロース橋爪大三郎の『はじめての構造主義』で詳しく書かれていたので、「うんうん、そんな感じのこと言っていた気がする」という感想を抱き、ラカンについては精神分析の話だったので、「河合隼雄がそんなことをいつも説いているなあ」とざっくりした印象を持った。

 

なので、参考になったのはニーチェフーコーのとこだった。

 

最近、ちくま文庫で復刊されたカントローヴィチの『王と二つの身体』の引用などは、山口昌男が言っていたようなことだな……などと整理をつけつつ、狂気や性についての考え方の紹介(歴史的にそれがどのように扱われるようになったのか)については、もっと深く読みたいなと思ったので、次はフーコーを読みたいと思う。

 

ざっくりとした感想としては、フランス現代思想のトピックはアイデンティティにまつわることが多いな~、ということと、誰がより優れた考察をしているか(「知の権力」ってやつ?)について常にバトルをしているな、ということ。

内田樹氏の書き方がそうなのかもしれないけれど、せっかく大学時代の第二言語をフランス語にしたので、フランス語の原著を読めるように、簡単な子どもの哲学のような教科書を使ってフランスの哲学の「なま」にも触れられたらいいなと思った。

 

ノートをとりながら読んだ箇所もあるけれど、まあ読み返してもいいし、気になる人だけピックアップしてもう少し深堀していくのもいいと思った。

流れをつかんでいくにはいい本である。