はちみつのdiary

hannyhi8n1から引っ越しました。

週刊少年ジャンプ

本も好きだけど、マンガも好きである。羽生善治が将棋を指すけどチェスも指すみたいな感じだ。羽生善治さんがチェスをどう思っているか知らないけど、私はマンガを本の次に読むもの、みたいな感じで読んでいる。言うなれば片手間で読んでいる。

 

「どんなマンガが好き?」とパートナーと話していると、「あなたは打ち切りマンガが好きだね」と言われる。

「別に打ち切りマンガを面白いって言ってたって、その打ち切りマンガのよさがわかると思うなんてださいのに」みたいなことを言われる。

よさが100%わかっているわけではないけど、これはほんとうのほんとうに、打ち切りマンガだって面白い作品はいっぱいあるのだ。

 

たとえば最近完結した『僕らのヒーローアカデミア』だけど、堀越耕平の作品で2010年の週刊少年ジャンプ2号で読み切りで掲載された『逢魔ヶ刻動物園』はもうはちゃめちゃに面白かった。連載されて嬉しかった。動物園に対峙する水族館のクジラの館長、動物同士の戦い。『紅の豚』みたいにかつては人間で、動物になってしまったウサギの園長が繰り広げる戦いは格好よかった。

 

オリンピックで今盛り上がっている『ハイキュー!!』もファンが多くて、確かに完結した時のオリンピックへの憧れや、たとえ何かの代表選手になれなくても、それをサポートする人や、ファンになれるんだってことも『ハイキュー!!』は教えてくれたと思っている。しかし古舘春一と言ったら『詭弁学派、四ッ谷先輩の怪談。』だし、ネット公開されていたJUMPトレジャー新人漫画賞の佳作だった『王様キッド』は、夜、大人たちが寝静まった家でパソコンを開きながら読んで感動したものだ。「面白い漫画家がいる!!」と思った。

 

『瞳のカトブレパス』とか、『ぬらりひょんの孫』とか『未確認少年ゲドー』とか、『大泥棒ポルタ』、『サムライうさぎ』、『ダブルアーツ』、『べるぜバブ』、『賢い犬リリエンタール』などなど、好きな作品はいっぱいあって、『魔人探偵脳噛ネウロ』とか『黒子のバスケ』だって読み切りの時から好きだった。

 

アニメ化していろんな人に認知されることがうれしかったから、アニメ化されると喜んでいたけど、でも私はやっぱり活字の方が好きだったんだと思う。

 

編集者、という人に憧れもしたけど、ジャンプ編集部は男性しかいないと知って、編集者になることは諦めてしまった。でもジャンプのノリが子どもとか男の人に特有のもの、というのも「そうだろうな」という気がした。

けれども私の家には『マーガレット』とか『ちゃお』とかは無かったし、少女漫画は(こういっちゃなんだけど)パターンがお決まりすぎて子どもの頃の私は全然面白く読めなかった。*1

 

このようにマンガは好きで読んでいたが、しかし私は一介の読者でしかなく、ジャンプのハガキも気が向いたときしか応募せず、心の中では漫画家にずっとエールを送っていた。

 

かつてのジャンプは『面白さ至上主義』というのがモットーだったらしく、(そういうモットーの編集長がいたんだが、そういう編集部のモットーだったのかは忘れたが)、だから私も子どもながらに(子どもだったからこそ)純粋に、面白い! とか、よくわかんない! とか思いながら読むことができた。*2

 

閑話休題

 

このようにジャンプっ子であった私であるが、高校生くらいになるとジャンプは読まなくなってしまった。受験のことをしていると不思議とマンガとかは読まなくなる。そして受験生からさらに十年経った現在ともなると、ジャンプの打ち切りマンガ作品は甘美なる思い出となって、「あのマンガ面白かったなぁ」「好きだったなぁ」とノスタルジーの一つになるのだった。

 

「打ち切りマンガが好きねー」と言われて、「そうだけど?」と思う。「打ち切りにはなったけど、面白いマンガいっぱいあるけど?」と思う。だって打ち切りになったかどうかって打ち切りになったかどうかでしかない。打ち切りは連載を続けたうえでのものなんだから、読み切りマンガを描くのと、人気の様子を見ながら長編になるくらいの長さを描くって全然マンガの見せ方が違うのは当然だろう、って思う。

 

とにかく声を大にして言いたいのは、アニメ化してない、とかヒット作につながらない、とか、そういうことを抜きにして純粋にその物語が面白いかどうかで勝負する世界というのが週刊少年ジャンプにはあって、私には読者としてずっと応援していたマンガがあり、ずっと応援していた漫画家がいたんだっていうことが重要だと思うのだ。

 

「好きなマンガの話」はこれ即ち、自分の青春の話、なのである。

 

今はもう週刊少年ジャンプを卒業しちゃったけど、「『面白い』を体験すること」を教えてくれたのはジャンプなのである。

 

ありがとうジャンプ、ありがとう漫画家、ありがとう編集者。

 

「打ち切りマンガが好きなんですね」って言う奴、(代表者:Myパートナー)、ジャンプ読んでたか。繰り返し読んでたか。マンガ、好きか。マンガ、つくってみないか。マンガはもうつくっている? そしたらマンガ、読め。もっと読め。くりかえし読め。

 

普段は「木村敏読みました~」とか言っているのだが、こんな風にマンガは底が無いので私は積読を解消している人生を送っているわけであります。

*1:唯一例外で読んでいた少女漫画は美内すずえの描く『ガラスの仮面』だけど、あれはどっちかっていうとスポ根なので、少女漫画というには異質な気がする。

*2:今はどうだか知らないが、当時の週刊少年ジャンプというマンガ雑誌は子どもが面白いと思う作品を血眼になってつくっていた時代だった(と思う)ので、子どもで描き手ではない、本当に一介の純粋なる読者が面白がって読めるかどうかを懸けた作品が多かったのである。