いっぱい本を読んでいる人、尊敬する。
三宅香帆さんを知ったのは大学生の時である。
読みたい小説が見つからない時に読書エッセイなどを参考にして新しく開拓をしていくのだが、たまたま『人生を狂わす名著 50』を手に取って、「私よりもっといっぱい本を読んでいる人は……京大にいたんや!!」となった。
並大抵の読書家なら読書サークルにもいたけれど、『人生を狂わす名著 50』の前書きには「本を生きがいとしていたはずが、いつの間にか本によって人生を狂わされている」(要約)ということが書いてあり、「その境地に至っているのすごい!」と感嘆した。そういうわけで私は三宅香帆さんをひそかに「本好きの同志」として(一方的に)認識している。
『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』を読んだのは、ちょうどライターになるにはどうしたらいいものか……と考えていた頃で、仕事として食べている人の話を聞いたときに、「文章にツッコミをいれたり、写経をするといい」というアドバイスを受けた時のことである。
文章をよくするためのテクニック、なんて意識しながら記事や小説を読まないけれど、『バズる文章教室』を読むと、「普段何気なく聴いているポップミュージックや、雑誌のエッセイにだって読ませるための工夫がそこかしこにあることがわかるなあ」と思い、さらに三宅さんのメモを読んで、「こんな風に言葉を読み解いているんだ!」と勉強になった。
気になったのは選書で、芸能人の文章やエッセイが多めなので、「”バズる”文章を書きたい、結構ミーハーな層に受けたいのかな?」などいらぬ邪推をした。
個人的に面白かったのは「秋元康の裏切力」だった。「こんな人も読むんだ~」と思ったのは瀧本哲史である。
2024年に取り組みたいことをここ数日考えていたのだけど、来年は「文章を考察する」ということをしてもいいかもしれない、と思った。今年は読んだ本について、割とブログでアップするようにはしていたし、感想程度でも書いておこうと思っていたけれど、もっと一文一文を細かくみて、面白いと思った文章や、美しいと思った言葉について、「なぜそう思ったのか」、「どういう箇所や文の運びに自分はよいと思ったのか」を(分析というほどではないけど)考えてみようと思う。
スクラップブックというのがある。
よく雑誌の編集者志望の人が、雑誌を切り貼りして、欲しいと思った化粧品とか、よいと思った景色を並べたりしている(らしい)のだけど、文章についても同じことができそうだと思った。
良いと思った文章について、なぜよいと思ったのか、どういうところに感動したのかを書き出し、メモをする。
2024年は自分だけの「文章スクラップ」をつくってもいいな、と思った。