はちみつのdiary

hannyhi8n1から引っ越しました。

読んだ:『はじめての構造主義』

天皇制の文化人類学』を読んでいたら、レヴィ=ストロースのナンビクアラ族の話が出て来たり、「ジュリア・クリステヴァと対談したで」という話があったりしたので、「そもそも構造主義ってなんだっけ?」と思い、橋爪大三郎の1988年のレヴィ=ストロース紹介もとい、『はじめての構造主義』を読むことにした。

 

最初はソシュールの音韻論など言語学にも触れ構造主義をつくる「構造」について話し、後に文化人類学のテーマのインセストタブーやモーセの贈与論などについて語られ、次に西洋知識人がずっと信じてきた「真理」なるもの――特にギリシアから伝わっている数学から物理学といった時間・空間についての数式――について話し、最後に神話学について少しふれる、というあらすじ。

 

インセスト・タブーや「交換」について、社会的な事象が数理モデルによっても説明ができる、というのは、知り合いの博士課程大学院生(理系)の話を人文学の側面から語るとどういうことか、ということがわかった。

 

読み終えて山口昌男の説明していたことは全部構造主義にのっとった話だったのか~ってなった。王権と周縁の演劇的な仕組みとかは、「構造」として説明できるというわけだ。

 

第四章では、ブックガイドとして構造主義の派生とも言える人たちについて紹介されていたけれども、私が興味があるのはデリダ脱構築ジュリア・クリステヴァ記号論だな…と思った。

 

ただし、ざっと文献を読もうと思っても、クリステヴァは読みにくいというし、記号と象徴について書いている本が他にあればいいのに~と思った。

なので、記号論については課題として持っていて、もう一度構造主義をつくったレヴィ=ストロース文化人類学に戻り、インゴルドの本を読むのが妥当かな~と思ったりした。

 

話が精神分析に関わってくるからかわからないけれど、河合隼雄が説明していること(つまりはユング心理学から物語の応用)についてもやはり、構造主義が関わってくるのではないかと思った。

 

構造主義を自分の言葉で説明せよ、ということがあればちょっと難しいのだが、

ある一大的なシステム(親族社会でも、数学の変換できる図形でもいいけれど)の役割や系譜についてその主題と変奏について選り分けること、とでも言い換えればよいのではないかと考えた。

音楽にアナリーゼという要素があるように、また、ノーベル文学賞を受賞した「星座小説」のように、それらは一つの宇宙とでも呼ぶべきシステムをつくっており、そのシステムでの動きについて、相互に干渉し合っている物事の流れを抽象的ではあるけれども言語化して理解しようとすることを「構造主義」と呼んでいるのではないか、と思っている。

 

このままいっぱい本を読み続けたいです!