はちみつのdiary

hannyhi8n1から引っ越しました。

博物館に行って考えたこと

北海道に来て1週間が経過した。

その間に住居を探し、また職を探している。

 

先週の土曜日には恋人が「歓迎会」と称してご飯をおごってくれた。

日本酒も飲んで楽しかった。

 

恋人は美味しそうにご飯を食べる。実に美味しそうにお酒も飲む。

お刺身をいただき、日本酒を飲み、頭を垂れる。

 

そういうところが私は大好きで、「美味しいご飯をつくれるようにしよう!」

と思うのである。

ちなみにこの時恋人が食べて美味しかったと思ったらしいのは「海老真薯の椀」で、私が美味しいと思ったのは「里芋と零余子のグラタン」だった。

日本酒は「東洋美人」(山口)、「紀土」(和歌山)、「写楽」(福島)

を飲んだ。

「東洋美人」が一番フルーティーであった。

 

閑話休題

 

今日は息抜きに北海道立博物館に行った。

私が旅行に行ってすること、それは「地域の民俗資料館や博物館を訪ねること」である。実際に町歩きをし、名所を訪れ、ご飯を食べ、歴史や文化を学ぶということが好きなのだ。

フィールドワーカー気質なのである。(たぶん)。

 

ということで、北海道の歴史についても学ぼうと思っていた。

うっすらと「もともとは蝦夷地と呼ばれていて~ アイヌがいて~ 松前藩が来て~」ということしか知っておらず、また日本史選択ではなかったので戊辰戦争についてはほんとうに何も知らないのであるが、こういう、「うっすらとしか知らないこと」の興味を広げてくれるのが博物館である。

 

北海道博物館は新札幌駅からバスで15分揺られたところにある。

 

木々が黄色や赤など色づいており、白樺やマツなども植わっていてとてもよいところにあった。気温は17度で長袖のブラウスを着ていたのだが、涼しく感じられるくらいだった。

 

展示はざっと考古学的なものから始まっており、土器から縄文文化と擦文文化、オホーツク文化などについてたどった後、交易について説明がなされる。第一部の視点は

朝廷側なので、こういったものを献上してもらいました、という展示であり、歴史についても松前藩の祖の武田信広という人が蠣崎氏に身を寄せてね、そこから松前藩(朝廷側)の歴史が始まってね、同じころにコシャマインの戦いというのが起きてね……という語り方である。

 

昨日、お風呂に入りながら読みかけだった山口昌男の『天皇制の文化人類学』をめくっていたのだが、王権や神話という物語と政治的な力学のつながりをなんとなく知っておくと、周縁地域や境界という位置づけがなんとなく想像できるようになるなぁと思った。(『天皇制の文化人類学』は狂言や歌舞伎や説話集について述べていて、どちらかというと比較文学のお話ではないかと思いながら読み進めていた。余談だが、山口昌男は網走出身らしい))

 

第二部ではアイヌの踊りのビデオや言葉や歌などを録音した装置があった。また、パネル展示で先祖にアイヌを持つ子が、アイヌの社会的な状況について話を聞く、というストーリー仕立てて興味深かった。

 

帰宅してから「先住民族についての研究や、国際関係について調べよう~」と思ってhontoで本を注文した。

 

その後、自分のアイデンティティがずっと「傍流」であったのに、たとえば北海道の歴史という文脈では「和人」、もっと言えば「内であると同時に部外者」という見方になるのだと思って「妙だな…」という感想を抱いた。

 

その後Twitterを眺め、パレスチナで起きていることを考えたり、なんで私は国際関係学というものを学ぼうと思ったのかに思いを馳せたり、女性数学者の座談会記事を読んだりしてアイデンティティクライシスに陥った。

 

博物館に行って、私はアイヌのことをもっと知ろうと思ったのだが、

私が出会ったのは自分自身であった。