午前中に通院に行った。医者は、「この薬の量でこれくらい症状が安定しているのはすごい」と言った。私は予防薬のために飲んでいるが、それが適切なのか適切でないのか、もはやわからなくなっている。
しかしとにかく褒められたのはよいことだ。
午後に東京から札幌に来ている大学の同期と待ち合わせをする。
彼女が来るまでに、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を少し読み進めた。
来た時に手を振ると、彼女も手を振り返してくれた。
近況報告をしたり、仕事に対する考え方や価値観について話したりした。
彼女は、
「北海道に行くって聞いたとき正直何するの、って思ったけど東京にいた時より3歩くらい進んでいる気がする」
と言ってくれた。よかった。
喧嘩のことについて、
「あなたはパートナーに対して何も言わないよね。全部その通りだって受け止めるけど、その意見に対しては考える余地があるし、100-0で相手がいい、とか自分が悪いと思うのではなくて、50-50に近づけられるよう合わせられるようなことが必要なのではないか」と言ってくれた。
これはよきアイデアだと思う。
その後も励まされたり、励ましたりして話をたくさんした。
この友達とは仕事帰りに飲んでいたりしていて、まあ、あることがきっかけでもう話してくれないのかも、と心配になっていたりしたので、会って話せるのは素直に嬉しかった。
パフェを食べてお酒を飲んで、駅まで見送って別れた。
友達の言いたいことがわからないでもなかった。もっと働きたい、自分の能力に見合ったやりがいの感じられる職場で働きたい。みんな楽しそうに高い収入を得て働いている。私もそんな風になりたい――
なれるよ、 と私は言った。
あなたならなれる。
「うわ元気もらったわー」
と言って彼女は笑った。
仕事に関しては私もこのぼんやりとした生活を続けるわけにはいかないのだった。
新しい職場には12月から行くこととなる。それまでにphotoshopとillastratorを勉強する時間を見つける必要があるのだった。
また家計簿に今まで使った額を入力し、本棚を購入する必要があるのだった。
そんなことを考えながら帰路につき、母親からの電話が一本来ていたので雑談をし、雑談をした自分にちょっと疲れた。
洗濯機のスイッチを入れ、私はベッドにもぐりこみ、じっとしていた。
「ブログを書いたり、洗濯したものを乾かしに行ったり、やることはいろいろあるはずなのに――お茶を淹れることもままならない――」などと思った。
しばらくして冷蔵庫を開け、少量のご飯と卵とアボカドと油揚げとカットキャベツを見つけ、それらを炒めてチャーハンもどきをつくった。
パートナーは今日は会食に行っているのでご飯はいらないと言っていた。
洗い物をして、またじっとベッドに潜り込むのだった。
3時間くらい経ってやっと立ち上がり、お風呂を沸かして、化粧を落とした。
入浴しながら本を読み、お風呂から出るとスマホに着信があった。
パートナーは「ごめん! これから帰るね!」と言った。
電話を切った後私はハーブティーを淹れてブログを開いた。
パートナーのいる生活は、あたたかくて、安らぎがあるものだった。
仕事が始まり、それに加えて家事もするのだから、不安がないかと言われればそうでもないのだが、私はこの人のいる生活を支えられるようになりたいのだ。