3日目は瑠璃光院に行くと決めていた。
当然のように恋人はすやすや眠っている。
(私は睡眠薬2錠を飲んでやっと眠れて朝の6時には起きる体質である)。
そこでこの日はイノダコーヒー本店に行くことにした。
というのも、山梨に行った時のタクシーの運転手さんが「わたくしは京都のイノダコーヒーが好きです」と言っていたからである。
噂のイノダコーヒー、行ってみようじゃないか。
ということで、開店前にイノダコーヒー本店に行ったのだが、すでに行列ができており、しかしすぐにお店の中に入ることができた。
朝食をしっかり食べようとは思っていなかったのでコーヒーだけいただく。
その名も『アラビアの真珠』。
砂糖とミルクをつけるのが通例らしいのでお願いしてみた。
店内はシックで落ち着いていて、良い空間だった。
自分用のお土産に『ジャーマンブレンド』なるドリップコーヒーも買ってしまった。
コーヒーは朝起きて時間がある時に飲んだりとか、休日本を読んだりした後落ち着かなくなったりした時に飲む。
最近は猿田彦珈琲のドリップを愛飲していたけど、イノダコーヒーはどんな感じなんだろう?
わくわく!
◇◇◇
というわけで一人コーヒーを飲んだ後、宿に戻って恋人を起こした。
恋人は満足いくまで寝ないとだめな人なので、できるだけ寝かせてあげた。
そして我々が今日向かうのは瑠璃光院であること、出町柳から電車が出ているらしいことなどを突き止め、2日ぶりの叡山電車に乗って八瀬比叡山口まで行った。
瑠璃光院は特別開館の時期が決まっていて、拝観料は2000円とお高いものの、いわゆる『映える』写真が撮れることで有名である。
素人のiPhone でもこのくらいの写真が撮れるのである。
お庭をよく見られる席があり、そこでお抹茶をいただくことにした。
お庭。
お抹茶。
お菓子はシャリシャリした食感に小豆の粒が感じられて大変良かった。
ボールペンの写経などもし、昨日の不機嫌はいったいどこへやら、カメラを下げて何でも写真を撮る恋人を眺め、私には瑠璃光院の青紅葉よりこの恋人のはしゃぎようを見ている方が面白く感じられた。
瑠璃光院は秋の季節はもっと美しいだろう。
このあとは銀閣寺に行こうかと思っていたのだけれど、バスの都合もあり、またもう一度四条河原町まで戻ることにした。
八瀬からずっと川沿いをバスが走るのでなんだか不思議な感じがした。
恋人がコーヒーを飲みたい、と言い出すので『生きている珈琲』というお店に向かった。
「コピ・ルアックがあるのね〜 すごい〜」などと言っていると恋人は「あるけど...」と引いた様子を見せた。
ということで頼んだのはコーヒー(コロンビア)とチーズケーキである。
チーズケーキ、あっさりしているのにレアチーズケーキのような味がして美味しかった。
今度つくってみようかな。
私たちはここでしばらく沈黙したり読書したりして過ごした。
この後、彼は用事があったので京都に留まり、私は先に名古屋入りすることになっていた。
駅まで見送ってもらい、私は名古屋へと向かった。