はちみつのdiary

hannyhi8n1から引っ越しました。

途中感想:『正欲』

2015年から2019年まで大学生活を送っていたわけで、『何者』でもそうだったけど、朝井リョウの書く大学の空気感というのはよいことか悪いことか「世代」としてわかってしまう部分がある。

学校に行かなくてもいいんじゃないか、とかダイバーシティのための学園祭、とか見ながらどこかうっすら醒めた視線を感じてしまうし、その醒め方がマイノリティを圧するとかいうわけでもないことに共感してしまう。

今半分くらい読んでいるのだが、やはり「正しい」人生とか、「正しい」性のあり方とか、何か今まで「普通」とされていたことに切り込んでいく感じがやっぱり、なんというか若手の作家らしい感じなのだよな、と思った。

 

私は男兄弟もいないし、大学は女子大だった。なので、神戸八重子ちゃんの感じる「生きづらさ」みたいなものはほんとうに「生きづらそう」と感じる。また、ああいう女の子に女子大を経験してほしい、と思った。

 

物語は一つのキーワードを軸に意外な方向に展開されていく。これまで別々の人生を歩んでいた人だと思っていた人たちが結びつき合い、関わり合っていく。

 

後半はこの関わり合いと「事件」がどう結びついてくるのかが見どころなのかなと思った。

 

この本を読もうと思ったきっかけは、友達(男性)が「普段小説は読まなかったけどこれは面白かった」と言っていて、高校の同級生(女性)も「面白かった」と言っており、その知り合い(男性)も「地球に留学しているという一文がとてもよくわかった」と言っていて、なんとなく「ダイバーシティ」に「うすら寒さを感じている」人たちに読まれているのかな~、などと思ったことがきっかけである。

 

あと余談なのだけど、私が大学生の頃は『横道世之介』が映画化されて3年くらい経っていて、ちょうど『正欲』が単行本として発売されていた頃なので、「これから朝井リョウ吉田修一みたいなポジションになるのかな~」などと思った。

時代の変遷、眺めていきたい。

 

ということで午後に後半を読んでいこうと思います。