はちみつのdiary

hannyhi8n1から引っ越しました。

『「女性活躍」に翻弄される人びと』

ジャーナリスト出身の著者が、総合職・非正規・専業主婦・さらにはその夫あるいは上司という立場の人に取材を重ねてインタビューをした記録をまとめた本を読んだ。

 

私はフェミニスト養成大学と揶揄されることもある女子大出身である。その女子大は総合職で働いている卒業生が多いことをウリにしていることから、進路を決めた高校卒業間際の私は、自分もそのようなキャリアになるだろう、あるいは大学院に行くかもな...と思っていた。

そして周りの友人には結婚や出産もしながら働き続けている人が多い。

 

最近知り合った年上の女性に、「意外とみんなうまくいっていない」と告げられ、若さを謳歌できる年・なんの責任も必要とされていない年だからできることがあるんだよなあ、なんて思った。

 

さて、私はそのような女子大を卒業しながら結婚を夢見て地方の公共団体で働くことになり、転職と休職をし、なんとなく働きながら結婚と出産を夢見る26歳の女である。

そういう人が本書を読んで思った感想は、

「人生いろいろあるって頭ではわかってるし、私だってそれなりに今まで苦労したつもりだけど、こういうことがこれから待ち受けているかもしれないと思うと、なんだか暗い気分になっちゃうな」というものであった。

 

リーマンショック東日本大震災も知ってはいるけれど、その影響力が(あまり)なかった身としては、本当にVUCA時代をどう生き抜くか、みたいなことを考えるとほとほと心許なくなってくる。

っていうかそんなことを言う前に私は精神科の入院を経験しているんだった。

え? 大丈夫? 

 

読んだ後に思ったのはーー経験や知識をブラッシュアップする必要がある、ということだ。どこでも通用する人間にはなりたいが、そのためにはさまざまな能力が必要になるし、あるいは得意不得意を自覚して得意なことに専念するという覚悟が必要になるのかもしれない。

 

常々思っていることなのだけれど、政策とか経済とか、私一人では解決できないことの中に、個人としての私は巻き込まれていく。あるいは、不幸に見舞われて孤独になったり憂鬱になったりすることもあるだろう。

でも個人の潜在能力を忘れないように。

それと、私は何が何でも生き延びねばならない。個人としてはできる最も初歩的なことは生きることだからだ。

 

女性とか男性とかにこだわらず、すべての人々がどうか生きる権利を侵害されませんように。

 

強く賢く美しく生きていけますように。