パートナーとともに実家での食事会を終え、翌日また東京に戻った。
泊まったホテルにはお風呂場と朝食バイキングがついており、どちらもそこそこに楽しんで、私は証券口座を開設しに行った。資産運用をはじめるのである。でも何もわからないから、勉強する必要がある。
東京では神谷町に向かい、麻布台ヒルズに行った。
こけら落としのオラファー・エリアソンについては、大学生の時映画館のアルバイトをした時にチラシで見て知った。結局その映画を観ることはなかったのだけど、名前はよく覚えていた。2023年にテート美術館 光展の中で、オラファーの作品があって、やっぱりすごいと思った。
麻布台ヒルズのオラファー・エリアソン展はこじんまりとしたものであったが、その内容はダイナミックなものであった。風に白い絵の具を吹き付けて描いた円、遠心力を使って幾何学的な模様を描くドローイング、瞬間瞬間を切り取ったように光と水で無数の点を見せる作品……。
オラファー・エリアソンは環境問題にも関心を寄せているらしかった。
「どんな小さなものであれ、自分には影響力があるんだ」と最後に動画のインタビューでオラファーは語っていた。
「方法ではなく、理由を考える。なぜ、なぜ、なぜ……」とね。
ということで、私はオラファー・エリアソンのことがとても好きになったのだった。