凍蝶というのがいてですね、
と俳人の先生に話しかけられた。
冬に蝶が枝にとまっているんですよ、
と続けられて
はあそうなんですか、と返事した。
あとで調べると高浜虚子が一句詠んでいた。
凍蝶の己が魂追うて飛ぶ
そんなものがあるんだなあ、くらいにしか思っていなかったが、凍蝶をみた。
どこで見たかと言うと、箱根ガラスの森美術館の庭の枝に止まっていたのである。
でもそこはガラスの森美術館だから、ガラスでできたものかもしれない。
あれは蝶だったのかガラスだったか。
箱根ガラスの森美術館では帯留めをつくったり、ガラスの作品を見たり(山本茜さんの作品が大変よかった)、ガラスでできたブローチやネックレスを眺めた。
その昔イタリアのムラーノ島というところにガラス職人を集める法律があり、ヴェネチアン・ガラスはそこで発展したようである。
日本では富山に研究所というか、修行する場所があるらしい。
帰りに日帰り温泉に寄って、温泉に入っている間中、「もう辛い恋はしたくないな……」などと思うなどした。
箱根に行っている間スマホを失くして同行者に迷惑をかけた。
次の日は小田原城を見学し、お城の近くにいた猿を眺めて、
「ハーロウの実験」について思い出すなどした。
帰りにあったかい鴨南蛮そばを食べて帰った。