恋人に「太った?」とか訊かれることが多い。
この間体重を測ったら冗談ではなく1年くらい前に比べて−5kgを達成できているのだが、お腹が出てしまってぽっこりに見えてしまうので、これはちゃんとインナーマッスルを鍛え、姿勢と内臓を整えないとダメだと思った。
話を聞くと、ジムでつけるのはアウターマッスルで筋肉を増やすということが目的らしく、私は身体を整えることに興味があったのでわくわくしながらピラティスの体験を待っていた。
もともと、大学では体育教育として、「動きの教育」という科目があり、1年次のゼミの先生は「動きの教育」の先生だった。溌剌としていて、いつまでも若く、社交的で、私のような陰キャからは憧れの存在だったのである。
「動きの教育」では姿勢づくりの他にヨガやバレエを取り入れた授業もあり、体育嫌いだった私でも、「身体の内側に耳を澄ませること」に興味を持てたのだった。
ということでピラティス体験である。
平日に時間がとれたということと、姿勢の矯正をしたい私にとって、体験料1000円で55分のレッスン、入会金無料というのは魅力的なコースだった。(これ、ほんとTOEICの問題に出てきそうなシチュエーションである)。
内容はとにかく呼吸と骨を意識しながら、身体を右に捩ったり左に捩ったり、背中を丸めたりという動きなのだが、身体の動かし方や骨(尾骨や仙骨)を意識して、と言われても何が何やらさっぱりわからない。
わからないし、先生に鳩尾を下げて、と言われたりしても自分の動きがあってるのかちぐはぐなのか、たぶんちぐはぐなんだろうけどどう動かしていいのかわからない、という感じで心の中では涙ぐみそうになっていた。
私はよく「こんな不器用な子見たことない」とか「本当にお前はぶきっちょだな」と言われたりするのだが、私の不器用さは身体の使い方にまで及んでいるんだとしみじみ思った。
けれども入会するという固い意志を持っている。
何がなんでも今痩せる。
インナーマッスルを鍛え、姿勢を良くし、心身の調子を整えたい。体重ももう少し落として、美しくなりたい。
ということで、次のレッスンを予約した。
ついでに帰りに百貨店に寄ってアイシャドウも買った。美容員さんに懇切丁寧にシャドウを塗ってもらい、カラー診断をしてもらって「イエベのスプリングですね」と言われてちょっとびっくりした。
「ブルベウィンターだと思っていたのに!!」
という感じ。
そしてこれから会う友達へのお土産を買って、しみじみと、「きれいになりたい...」と思っている。
買ったアイシャドウは新卒の頃から愛用している資生堂のドラスティックマキアージュである。