話題になっていた『ルーブル美術館展 愛を描く』を観に行ってきた。
雑感としては「愛」というテーマで神話などからインスピレーションを得た絵画は多くも、感動する絵はそんなになかったかな、という感じ。『放蕩息子の帰還』、『褐色の髪のオダリスク』はよかった。
あとイスラーム教徒の妖術師がキリスト教徒に妖術をかける、というモチーフも面白かった。
イスラーム教徒とキリスト教徒の結婚というのは、イスラーム教徒と結婚するためには改宗をしなくてはいけないから、「妖術」でキリスト教徒を誘惑した、という解釈が生まれたのだろう。
『褐色のオダリスク』は本当に官能的な絵で、エロティシズムここに極まれり、というか、私は大好きな絵だと思った。
欲情させられるというか、女性の身体がこれでもかというほど美しく誘うように描かれているので、ヌード写真よりもよっぽどえっちだと思った。
本当に「えっちだ...」と思いながら立ち尽くしてこの絵を観ていた。
MET展ではセクシュアリティについても現代を意識した構成になっていたと思うけれど、ルーブル美術館展では神話がモチーフのものが多かったからか、異性愛をテーマにした作品が多く、また愛というものを凡庸なものとして捉えているのかな、という気がした。また、神話を題としているとはいえ、女性が男性に拉致されているような絵もあって、「愛」について突き詰めて考えられたセレクションではない気がした。父性愛のような、『放蕩息子の帰還』のような絵もあったけれども。
ということで図録は購入しなかったのだが、ポストカード数枚と、
なんとマリアージュ・フレールとのコラボ商品(展覧会限定)があったので購入してしまった。
戦略が上手すぎる...!