はちみつのdiary

hannyhi8n1から引っ越しました。

文化人類学についての初読者向けの本を読んだ。

マッチングアプリ等で、大学の時に勉強していたことを聞かれるとだいたい「文化人類学です」と答えることがある。事実、私はフィールドワークが必須のコースに所属し、参与観察とインタビューをして卒論を書いた。

文化人類学について説明する時は、「自分の知っている文化と違う文化が根付いている場所で、人々と一緒に何かに参加したり、インタビューをすることで、文化の差異と共通点を知り、その文化について見識を深め、仕組みを探る」というようなことを言っている。

しかし私の所属していた研究室の先生は、文化人類学の専門ではないし、「根拠はつくられるものである」と主張する、ほんとに学者か? という感じの政治的権力を持った先生であったし、卒論も「自分の興味関心を突き詰め、フィールドに入ってから根拠となる本で自説を肉付けせよ」という、ほんとに学者か? というやり方を指導されていた。(おそらく先生がこの文章を読んだら「そんなやり方指導していない」と言うだろうが、私はそのような趣旨の発言を聞いた)。

だから、文化人類学についての根っこのところをあまり存じ上げず、ギアツもクリフォードも読んでいない。(致命的である)。

そんなわけで、文化人類学について少しでも知識を深めるため、今更ながら初読者向けの本をまず読んでみた。

それが川口幸大先生の『ようこそ文化人類学へ 異文化をフィールドワークする君たちに』、(2017年、昭和堂)である。

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ちくまプリマ―新書ばりに読みやすい語り口と、興味を持ちやすいテーマを扱っており、ブックガイドもあるので中高生くらいで進路に悩んでいる人にはぴったりの本だと思う。

 

私が読んでいて興味深かったのは、「文化を他者が語ること」について述べられている箇所で、文化の優位性みたいなものを再生産することに文化人類学って使われていたのではないか……と思ったりした。このテーマは卒論を書いてる間に思ったし、私の卒論は結局社会学が得意とするアイデンティティ論や社会階層に向かいがちでうまくまとめられなかった。「他者の文化を語ること」についてはこれからも追っていきたい。

 

(サイードの『オリエンタリズム』は持っているけど、1章読んで体力を使うので、これはもうちょっと後で読みたい。今はティム・インゴルドの本に手をつけている。)

 

『呪われたナターシャーー現代ロシアにおける呪術の民族誌』はたしか大学に置いてあったはずなので読んでみたい。

最近エチオピア料理を食べたので松村圭一郎氏の『所有と分配の人類学――エチオピア農村社会の土地と富をめぐる力学』についても読んでみたくなった。